れいらさんの日記

海外でゆるく生きてます。つれづれと書いていくだけの日記

蛇に噛まれた女

『美人は3日で飽きる』と言いますけど、


2回、3回みても、また見たい、何度も見たい、ずっと見ていたいと思うものは
美しいだけではない






20代の若い頃、会社を休んで、何度かパリに行きました




1週間も2週間も、観光するでもなく、毎日ぼんやり公園を散歩したり、街を歩いたり、カフェでお茶したり、毎日をぼーっとして過ごしました




ある日、ふと、入った美術館で美しい女性の裸体の彫刻に一目惚れして、動けなくなりました




どうにかこの感動を持ち帰ろうと、カメラでいろんな方向から写真を撮りましたが
立体の彫刻を平面にすると、どうしてもただの写真になっていしまい、
感動どおりに撮れなかったので、仕方なく3日間、その美術館に通い詰めました。






最近知りましたが、
オーギュスト・クレサンジェ「蛇に噛まれた女」(オルセー美術館)という作品だそうです







私は当時、そこが有名な美術館だとも、それが有名な作品とも知らず
私はそれを『美しい』と思いました。



10年近くたった今もその彫刻に出会った日のことはよく覚えている


何の知識もない、パープリンな若い外国人の娘の心も一目で奪う




きっとこの作品は、何万回も、こうやって、国を超え、時代を超え、
たくさんの人の心を奪ってきた




芸術をわからない人間の心を打てるからこそこの作品が『芸術』なのだと思いました。





顔が美しい人もたくさんいるが、何度も見たい、逢いたいとおもうひとは




確かに美しいだけではない





この彫刻も、美しい人も、人の心を掴める何かは『美しさ』ではない