れいらさんの日記

海外でゆるく生きてます。つれづれと書いていくだけの日記

韓国の競争社会ー資本主義の末期


前々回、韓国の教育は“競争力”が強化されるよう組み込まれている。
と、仮説したけれども、ちょっと語弊がありそうなので訂正しておく。

競争力は

“国の教育”ではなく

“国の状態”がそうさせているのだ。


韓国も景気が悪い。
私は韓国に来る前、韓国は好景気に沸いているのだと勘違いしていた。

なぜなら世界における“サムソン”の勢いは、
わたしがフィリピンで日系家電製造業に従事していた2009-2011年
飛ぶ鳥を落とす勢いだったからだ。

日本人は知らないかもしれないが、世界におけるサムソンの存在感はケタ違いだ。
海外旅行をする機械があったら、ぜひ気をつけて各国の空港内や空港周辺を見て欲しい。
おそらく一番いい場所に広告がでているのはサムソンのはずだ。

サムソンは売上高の30%を広告に使う。
その売り上げ高も2010年当時一兆円を超えていた。
これはSONY、パナソニックなどを初めとするに日系製造業上位9社の売上高を合わせた数字より大きかった。
わたしはフィリピン時代、いつもサムソンの後を追っていたのでとても悔しかった。

そんなサムソンのある韓国は好景気に沸く活気がある国なのだと勘違いしていた。

ところが住んでみると、それとは正反対だった。
長く続く不況、失業率、閉塞感、格差、若者の活気のなさなどは日本と同じだった。
しかも見れば見るほど、この国には突破口がない。

どうしてこんなことになっているのだろうと、
この一年よく観察してみたが
私は、問題はこの国の“財閥”に全てあると思っている。
中小企業が育たないのだ。
私が見る限り、この国に中小企業は“無い”といっても良いレベルである。
日本には下町に元気な職人や、小さい工場があったりするが
この国には全く見られない。

ここからは仮定だが、おそらく優良な中小企業が財閥の大企業に潰されてしまうのだろうと思う。一見してみると、
デパートや自動車、食品、保険、住宅、建設、通信、カフェやパン屋に至るまで

ありとあらゆる産業に ロッテ・現代(ヒョンデ)サムソンなどの財閥が関与している。

つまり、財閥系企業に入らなければこの国には従事する仕事がないのだ。

財閥系企業に入るには
ソウル大学・高麗大学・延世大学 このTOP 3 の大学いずれかを
必ず卒業しなければならない。狭き門である。
この大学に入る為に、教育熱は高まり続け、早まる一方で
今や幼稚園から受験勉強が始まるといっても過言ではない。
私が住んでいるのはソウルのベットタウンであるけれど
遊んでいる子供はほとんど見かけない。
かわりに10時近くになると塾から子供たちが帰ってくる。


この“財閥企業に入るための大学受験選戦争“が後ろ盾になり


教育の場で、子供や父兄の競争を煽っている。


小さい頃から遊ぶ間もなく、スポーツもせず、勉強・勉強で大学を受験し
過酷な就職合戦を切り抜け、やっと入った財閥企業で
惨いプレッシャーの中働き続ける。

韓国の企業は成果主義で、私がマニラにいた間
マレーシアのサムソンの社長は3年で5人“首”になった。
マレーシアはパナソニックが人気で、どうしても勝てなかった為だ。

しかし、どうにか企業に入って、死ぬほど働かされても
それでも財閥企業には入れればましである。


なぜなら、大学受験や就職にに失敗した者が入る“受け皿”が私には見当たらない。
その為、小さな食堂やカフェを開いて、主人となって自分で仕事を作るしかない。
韓国を訪れた方は気づいたと思うけれども、
韓国は同じような食堂や小さいカフェがひしめき合っている。
しかし飽和している為、回転もすごく速い。

そして、国内に突破口がないので、海外に希望を見出すことにした父兄たちがとる行動が
“早期の英語教育”である。日本よりも激しい。
先日、5.6歳であろう小さい女の子が電車で立ったまま単語を覚えさせられていた・・。
資本主義として末期な気がする。
日本もいずれそうなるのだけれども韓国は少しその先を行っている

こうやって、ざっと考えてみるだけで、わたしにも突破口が見つからない。



うーん、これからの若者の人生は大変だ・・